日銀追加緩和の意味

最初に大原則。
 今の日本経済をわかるうえで、押さえておく政策は二つ。
 金融緩和と消費増税。
 金融緩和をすれば景気が良くなる。これは事実として証明された。
 しかし、消費増税はそれをも破壊する。これも事実として証明された。
 では、何を争っているのか。

 ここで多くの人が勘違いしているのが、経済学的議論の優越など、口喧嘩のボキャブラリー以上の意味がないこと。
 これは喧嘩なんだから、殴り合いで勝った方が勝ち。
 つまり景気回復ができるかどうかは、政治力がすべて。

 月末、日銀が遂に追加緩和20兆円を発表した。
 これに関して、増税のための緩和だろう?という噂もあるが、逆に増税延期は決定かという観測もある。
 では、実際はどうなのか。
 わからない、としか言いようがない。

 結局、日本を滅ぼしたくないという意思が勝つか負けるか、なので。
 誰の?
 安倍首相個人のではない。日本国民のだ。

 10月31日のの緩和に関しては、倉山塾掲示板の上念獄長の考察が秀逸。
 これは拡散したいから結論から言うと、

強気の楽観論

 ついでに、こんなことまで書き出しやがった。笑
 ばらしてやる。

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 追加緩和後の日本経済の行方〜ジョネトラダムスの市場大予想(投資は自己責任でお願いします)〜

 みなさま、明けましておめでとうございます!
 昨日のハロウィン緩和は最高でしたね。
 あんまり気分がいいので、今後の株と為替の動きについて私見を述べたいと思います。
 飽くまでも私見ですので、この情報に基づいて投資しても私は責任取りません。
 「投資は自己責任」という前提で、ご参考程度にお読みいただければ嬉しいです。


 今はこの強気と楽観論が大事。
 負けた後のことは負けた後に考えればよい。
 あれこれ悩む暇があったら、どうやって勝つかだけ考えればいい。だって今まで、金儲けの話なんてできなかったわけでしょ。

 一昨日の追加緩和について述べておくと、
・いままでしなかった追加緩和をしたということは、景気の悪化を認めたということ。
・たかが20兆円の緩和でも、株高円安は進む。金融緩和がアベノミクスの生命線だと再確認。
・ただし、11月や12月でインフレ目標2%などありえない。

 これをどうとるか。まともに考えたら増税なんか無理だろ!で終了。
 でも日本を滅ぼしたい人は「だから増税をするんだ」と、ありとあらゆる手段を採る。
 毒を薬、薬を毒と、騙しながら。

 誰も言っていないことを書いておく。
 追加緩和に関して、日銀政策決定員会の賛否内訳。

 賛成
 黒田 東彦 総裁 ・・・黒田バズーカの張本人。
 岩田規久男 副総裁・・・リフレ派筆頭。
 中曽  宏 副総裁・・・日銀プロパー。
 宮尾 龍造  委員・・・学者出身。
 白井さゆり  委員・・・元デフレの女王、現リフレ派。

 本当のリフレ派は岩田、黒田のみ。
 黒田さんが財務省増税派的発言を繰り返した真意は、WBSで本人が語っていた。
 宮尾は白川時代から、時々正しいことを主張していた。
 白井は、デフレとリフレの区別がついているかどうか怪しいが、しかし風を見抜く嗅覚は超一流。

 反対
 森本 宜久  委員・・・東京電力。
 石田 浩二  委員・・・住友銀行。
 佐藤 健裕  委員・・・モルガンスタンレー銀行。
 木内 登英  委員・・・野村総合研究所。

 森本、石田は今でも日銀プロパーに忠誠を誓っている。
 佐藤、木内は、カクリコンこと河野竜太郎を撃墜した時に委員入り。しかし、実態は白川の隠し玉。
 しかも木内は、毎月の政策決定会合で「バズーカを止めろ」と主張する、デフレ原理主義者。
 というか、日銀プロパーの鉄砲玉。

 つまり、日銀プロパーの中曽の一票で、薄氷の上に金融緩和が維持されている。
 日銀は今の安倍政権に歯向かうのは時期尚早と見ているので今回の緩和に賛成したが、
 完全にレイムダックになったらいつでもトドメを刺すつもりなのは明らか。

 黒田さんがこれまで追加緩和をしてこなかったのを経済学的にどうこう言ってたのはナンセンス。
 むしろ、日銀プロパーが「バズーカやめろ」というのを抑え、「決まったことですから」と打ち続けていたということ。

 増税反対は今や数の上では圧倒的だが、油断はできない。財務省増税原理主義者や日銀の連中が、かつてどんな悪辣な手口で日本経済をどん底に叩き落としてきたか。

 倉山兵団各員及び志願兵に告ぐ

 手を緩めるな!